理事長挨拶
人類の歴史は、子育ても、介護も、看取りも全て家族や身内の役割であった。
そこには自然の脅威に対する、命がけの戦いが続けられていたのである。
明治の文明開化、国家体制の変革以来、徐々に家族の役割に変化が生じてきた。
佐竹音次郎(1864~1940)は、医師として鎌倉の腰越に医院を構えたが、漁師町の腰越には、沖で遭難し、一家の大黒柱を失った幼子や、その母親が、日々の生活に困窮している姿があった。
見かねた音次郎は、自宅にその家族を引き取り、面倒を見ることにした。
「汝の隣人を愛せよ」(マタイによる福音書29章33節)
我が家に来たのは、みな家族である。「私たちが親なのだから、孤児ではない」との信念から分け隔て無く、一人ひとりを大切にする養育を続けてきた。
鎌倉小児保育院の始まりである。福祉制度のない時代、社会に呼びかけ、自己資金をつぎ込み、運営を続けたことは、まさに社会的養護の先立つと言えるのである。
「立てば歩めの 親心」は、親の一方的な思いではなく、対象の子が有って生じる心である。人の育ちの相互関係の機微を表しているのである。
人は幾つになっても人と人との関わり合いの中で育ち、成長していくのである。
命ある限りその営みは続いていくのである。
お互いが育ち合えるこの素晴らしい喜びを、日々感じられる職場を、貴方自身のものにしてみようと思いませんか?
戦後、福祉制度の整備により、救護施設を経て、現在は児童養護施設、知的障害者施設、(高齢者)知的障害者施設の3施設を運営している。
時代の変化に伴い、常に新しい試みを模索しながら、今必要とされているもの、将来有るべき姿 を目指して、共に歩んで行ける人財とともに地域に根差した施設運営を進めて参ります。
今後とも、皆様方のご協力とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
基本理念
聖音会は、「他人の子をわが子の如く、保んじて育てる」という
創立者のキリスト教の精神に基づく聖愛主義の実践(聖愛一路)のもとに設立されました。
聖愛主義の実践とは、利用者も職員も社会の一員として支え合い生かされている兄弟姉妹であることを自覚し、相互の人間性を尊重し、
心の通った温かいサービスのもとに、利用者一人ひとりの幸福を追求し、自己もそれによって幸福になろうとすることです。
聖音会は、喜びと誇りを持ってこの実践を絶えず行い、福祉事業のもつ社会的責任を果たします。
経営理念